スーツを正しいサイズで着るための選び方

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スーツ選びで何よりも重要なのは、間違いなくサイジングです。どんな高級ブランドスーツも、おしゃれな色柄のスーツも、自分の身体に合っていなければ意味がありません。逆に、安くて平凡な色のスーツでも、ジャストサイズで着こなしていればおしゃれに見えます。
年配の男性が陥りやすい失敗としては、大きすぎるスーツを選んでしまうことです。だぼだぼのスーツは、だらしがなく、覇気のない印象になります。逆に若い男性は、細身スーツの流行に乗ろうとして、小さすぎるスーツを選んでしまいがちです。ピチピチのスーツは、顔が大きくみえてしまったり、体型の七難を露わにしてしまいます。
適度なゆとりを持ちつつ、ウエストなど絞るところを正しく絞ったスーツこそ美しいシルエットを生み出します。正しいサイズのスーツを選ぶには試着が必要不可欠です。試着するときにチェックすべきポイントをおさえておきましょう。

ジャケット

ハンガーに吊るされたときのシルエットを確認

ハンガー-1

ジャケットの袖に腕をとおす前に、まずはハンガーにかかった状態のシルエットを吟味しましょう。腕の部分がストンと垂直に落ちているものは、人体の構造が考慮されていないスーツです。逆に、いいスーツは袖の部分が前側にカーブしています。
一度、自分の身体を見てください。床に立った状態で、肩の力を抜きリラックスすると、肘から先が前に曲がっているのがわかるかと思います。上質なスーツは、このような人間の自然な動きにフィットするよう、立体的につくられているのです。

ボタンを留めたときのシワ

Xシワ

スーツの着こなしでなんと言っても大事なのが、ジャケットのボタンを留めた状態での正面からの見た目。理想のサイジングは、X字のうっすらとしたシワができることです。正確に言うと、X字のドレープ(ゆるい折りひだ)ですね。
一切ドレープが入っていなかったり、縦にたわみのラインが出てしまっている場合は、サイズが大きすぎるということです。逆に、ボタン周辺に横ジワが入るほどパツパツなものは、小さすぎです。

スーツに手を入れてみる

ジャケットのサイズ感をてっとり早く確認する手段のひとつが手をいれる方法です。留めてあるボタンの部分を前方に引っ張り、手を入れましょう。ちょうど握りこぶしがすっぽり収まるぐらいが、ジャストサイズと言われています。

適度にウエストのシェイプが入っているか

シェイプライン

腕を降ろした状態で、正面から見たときに、ウエストのくびれがまったく確認できない場合はサイズが大きすぎです。ウエストの絞りは、体型のコンプレックスを隠し、色気を出す効果がある重要なポイントです。必ずウエストのシェイプは確認しましょう。とはいえ、ウェットスーツのようなピタピタすぎるフィットは、逆に体型の弱点を露わにするのでNGです。

肩のおさまり具合をチェック

肩おさまり

ジャケットの肩山部分が、ちょうど身体の肩先に合っていればOKです。大きすぎで、肩山がはみ出たり、下がったりすると、一気にだらしない印象になります。指先でつまむことができないほどパツパツなのもダメですね。

腕を上下する(上襟は浮いていないか)

正しいサイジングで着こなしたスーツは、多少動いたぐらいでは、身体から離れることはありません。とくにジャケットの背中の、上襟部分は常に密着している必要があります。腕を上げ下げしてみて、首の後ろの出っ張った骨の部分から、ジャケットが離れなければ身体にフィットしています。

腕や背中に余計なシワが入っていないか

腕を自然に降ろしたとき、上腕や肩まわりに、たるみやシワが入っている場合は正しくサイズが合っていません。背中にたるみやシワが入っている場合も同様です。自分ではあまり意識しませんが、後ろ姿が綺麗か否かで、他人の印象は大きく変わります。抜かりなくチェックするようにしましょう。

着丈が合っているか

着丈

お尻がギリギリ隠れるか隠れないかぐらいの長さが、ジャケットの着丈としてはちょうどいいです。ジャケパンスタイルの場合はもう少し短めでも構いませんが、スーツスタイルの場合はお尻が出るぐらい短すぎるのは、洗練された大人の着こなしとは言いがたいですね。

ワイシャツを着て行く、衿・袖の見え方

袖シャツ

両袖、そして上襟の3点からワイシャツをチラリと覗かせるのが着こなしの鉄則です。よって、スーツを試着する場合は、必ず自分が普段きているジャストサイズのワイシャツを着て行く必要があります。スーツの袖丈に関しては、多くの販売店で調整(直し)が可能です。
両袖、上襟の3点から、1,5cm前後ワイシャツを覗かせることで、絶大な視覚効果をもたらすことができます。

パンツ

ヒップ・太もものフィット感を確認する

お腹まわりに関しては微調整が可能です。しかし大事なのは、ヒップや太もものフィッティングで、ここのサイズを間違えるとシルエットが台無しになります。ダボダボ過ぎると時代遅れのオジサン臭くなりますし、タイツのようにピチピチだと見た目的にも機能的にも良くありません。屈伸するなどして、ある程度ゆとりがあるのを確かめます。それとともに、お尻まわりや太ももにシワがないか、きつすぎてポケットが開いていないかなども確認しましょう。

センタークリースのラインを確認

スーツのパンツには、中心にクリースと呼ばれる折り目が入っています。まっすぐ立ったときに、このセンタークリースが、自分の脚の中心線と一致しているかを確認してください。クリースが直線ではなく途中でねじれていたり、脚の中心と合致していなければサイジングに問題があります。パンツを美しく履くための基準として、クリースラインは必ずチェックしましょう。

股上浅すぎはNG

流行によってパンツの股上は浅くなったり深くなったりしますが、スーツスタイルにおいては、ちょうど腰骨のところでベルトを締めるのがベーシックです。極端に浅すぎたり深すぎるものは、そもそもバランスが悪いですし、流行が終わるとダサく見えてしまいます。

主流はノークッション、時代に左右されないハーフクッションがおすすめ

パンツの裾丈にも流行り廃りがあります。ひと昔前の日本のオジサン世代は、ゆとりがあってパンツにクタッとしたシワが寄る「ワンクッション」が主流でした。逆に、現在は脚のラインを綺麗に見せるため、パンツは短めに履くのが良しとされています。一切パンツにシワの寄らない「ノークッション」は、確かに脚が綺麗に見えます。しかし、これも流行が終わるとツンツルテンに思えてしまうのと、世界基準でスーツの着こなしルールを考えたとき、パンツと靴の隙間から靴下が見えてしまうのはNGです。
足の甲にほんの少し触れる「ハーフクッション」が、脚もスラっと見え、なおかつ流行に左右されない、長年に渡って愛用できるパンツの裾丈だと言えるでしょう。

妥協せずとことん試着すべし

既成品で、全てのフィッティング条件をクリアするのは困難です。根気強く試着を繰り返す気概が必要であり、10着は試着するつもりで臨みましょう。特に、肩と胸、ヒップと太もものフィッティングは妥協すべきではありません。たとえどんなにデザインが気に入っても、サイズが合っていないなら購入はやめましょう。徹底的にサイジングにこだわるのであれば、既成品ではなくパターンオーダーという選択肢も有効的です。