ストレートチップの特徴と利用シーンとは

ストレートチップとは

革靴の種類の中でも、最も定番とされるストレートチップ。ビジネスや結婚式、お葬式まで使える黒色の内羽根ストレートチップは、一足目に買う本格革靴の最有力と言えます。

このページでは、ストレートチップの特徴と、内羽根・外羽根の利用シーン、パンチドキャップトゥについて解説します。

ストレートチップとは

ストレートチップは別名キャップトゥともいい、つま先部分にひと筋のラインステッチが入ったものです。
内羽根ストレートチップ特徴

ストレートチップのとは、つま先(トゥ)部分に横一文字のステッチが入った革靴のことです。キャップをかぶせたような見た目から、キャップトゥとも呼ばれています。

つま先のラインは、一本線のものもあれば、よく見ると二重ステッチのもの、縫い目の隠されたスキンステッチ仕様のものなど様々。基本的には、二重ステッチのもので、縫い目同士の間隔が狭く乱れのないものが高品質と言われています。

キャップトゥ

内羽根式と外羽根式があり、靴紐を通す鳩目部分がフラットなのが内羽根ストレートチップ。外から覆いかぶさるような設計のものが外羽根ストレートチップです。

内羽根ストレートチップのおすすめ利用シーン

内羽根ストレートチップは、革靴の種類の中でも極めて格式が高いものです。ビジネスから冠婚葬祭まで、あらゆる場所で通用します。
ストレートチップとは

数多くの革靴の中でも、黒色の内羽根ストレートチップは最上級にフォーマルな靴。

結婚式、お葬式では内羽根ストレートチップが間違いないですね。就活など、第一印象が重要な場面でも、やはり黒の内羽根ストレートチップが好ましいです。

内羽根ストレートチップでも、茶色の靴は基本的にカジュアルという考え方です。茶靴の中では格式は上の方に位置付けされるので、茶色の内羽根ストレートチップはややランクが高めのレストランなどに行く際に履くのが良いでしょう。

一足目に買う革靴として、利用シーンの広い黒の内羽根ストレートチップはとてもオススメです。

おすすめの内羽根ストレートチップ

クロケット&ジョーンズは、英国の名門ブランド。映画007のジェームズ・ボンドも愛用することで有名なシューズメーカーです。内羽根ストレートチップのオードリーは、セミスクエアトゥの木型を使った美しいフォルムで世界的に人気の1足です。

革靴の定番とも言える内羽根ストレートチップですが、シンプルだからこそ素材や細かいこだわりが大事になってきます。国産ブランドのスコッチグレインは、高級感溢れる光沢感が特徴。本場英国靴にも負けないグッドイヤーウェルト製法の技術もハイクオリティです。日本のブランドなので余計な輸入費が上乗せされず、コスパが良いのも魅力。

外羽根ストレートチップのおすすめ利用シーン

内羽根式ほどかしこまらず、休日のお洒落向きなのが外羽根ストレートチップです。
外羽根ストレートチップ

基本的に外羽根式の革靴はどんな種類のものでも、内羽根式よりカジュアルという考え方になります。スーツを着崩したいときや、休日のジャケパンスタイルなどには茶色の靴や外羽根ストレートチップが適します。

ただ、どうせジャケパンスタイルに合わせるなら朴訥としたストレートチップではなく、装飾性のあるウィングチップやシンプルなホールカットシューズを選ぶのがオススメ。

そのため、汎用性の高い内羽根式と相反して、外羽根ストレートチップの活躍の場はあまり多くないというのが実際のところです。

装飾の施したパンチドキャップトゥもビジネスシーンで活躍

パーフォーレーションという装飾をつま先に施したキャップトゥを、パンチドキャップトゥといいます。黒色の内羽根式のものはストレートチップと同じく格式が高く、広いシーンで使用できます。
パンチドキャップトゥとは

パンチドキャップトゥとは、ストレートチップ(キャップトゥ)のつま先一文字に、ステッチによるラインではなく装飾を施したものです。装飾は、「●:●:●:●:●」のように大小の穴を交互に配置したデザインで、パーフォーレーションと呼ばれるものです。

装飾があるぶんストレートチップよりも派手でフォーマル度が下がる印象を見受けられますが、英国など国際的にはパンチドキャップトゥもストレートチップも同格の扱いとされています。

パンチドキャップトゥをお葬式に履いて行っても大丈夫?

お葬式には装飾のない内羽根ストレートチップを履いて行くのが礼儀です。

パンチドキャップトゥの場合はつま先に若干の装飾があるので、お葬式に履いていくべきかどうか悩むところ。しかし英国などヨーロッパの国際的なマナーでは、パンチドキャップトゥは冠婚葬祭すべてに履いていっても問題ない革靴です。

では日本のお葬式でパンチドキャップトゥはOKなのかどうかと言うと、「問題はないけど装飾なしの靴を持っているならそちらのほうが無難」という回答になります。

日本はヨーロッパよりも洋服文化の歴史が浅く、ルールやマナーの考え方も異なります。日本の結婚式では黒のスーツを着る人を多くみかけますが、ヨーロッパでは黒はお葬式の色です。

そもそも日本では「冠婚葬祭では内羽根ストレートチップが最適」と知っている大人は意外にも多くありません。「パンチドキャップトゥはヨーロッパではお葬式でもOK」と知っている人はもっと少数派でしょう。

パンチドキャップトゥを履いていって目くじらを立てる人は少ないでしょうが、中には「飾りつきの靴を履いて葬式に来やがって」と思う人もいるかもしれません。

なので、パンチドキャップトゥしか持っていないならともかく、他に内羽根ストレートチップや内羽根プレーントゥを持っているならお葬式ではそちらを履いたほうが無難です。ちなみに茶色い靴やエナメルのようにピカピカに光った革靴は当然ながら論外です。

お葬式では着用に一考する必要があるとはいえ、パンチドキャップトゥはビジネスからセミフォーマルまで使えるので、一足あればあらゆるシーンで重宝します。

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