【革靴お手入れ】一番大事なのは”継続”!最適な方法まとめ

あらゆるファッションアイテムの中で、革靴ほど手のかかるものはありません。しかし、革靴は人を表すという言葉のとおり、手入れされているものとそうでないもので人間性がわかってしまいます。色が剥げ、ひび割れてしまった革靴を履くということは、「周りに注意してくれる女性がいない=モテない」男であると公言してしまっているようなものです。
デキるスーツ男子は、革靴の貴賤問わず少なくとも手入れの行き届いたものを堂々と履きこなしています。また、革靴は手入れをすればするほど渋く重厚な光を宿す不思議なアイテムでもありますね。そして革靴の手入れで一番大事なのは「継続すること」です。
本記事では、”継続できる手入れ”をモットーに、必要な道具や、状況に応じた手入れの方法について解説します。

革靴の手入れで重要なのは”丁寧さ”ではなく”継続できるかどうか”

革靴を買ってすぐの新品のときは、愛情があるので手入れも楽しく行えますが、よほどの革靴愛好家でないかぎり、時間が経つとともに徐々に面倒になります。最終的には手入れをしようなどとは微塵も思わなくなるでしょう。普通はそういうものです。
しかし、手入れをしている革靴とそうではない革靴では、1年も履けば違いがあからさまに出てきます。手入れを一切していない革靴は色が剥げ、最悪の場合シワからひび割れなどの症状が表れるでしょう。一方定期的に手入れをしている革靴は、時間をかけてじっくりとクリームの脂分が皮革に染みこむため、鈍くて重厚感のある光沢を携えるようになります。さらに5年、10と手入れを重ねることで年輪のように皮革に味が出て、履きなれた革靴独特の風合いを醸し出すのです。
それほどまでに、革靴の手入れを継続することはスーツ男子のたしなみなわけですが、そのためには自分がシャワーを浴びるのと同じぐらい革靴の手入れを気軽で身近な行為にしなければなりません。あれこれ道具を使って、毎回汚れ落としや艶出しのような作業をしていては絶対に長続きしません。シンプルでラクだからこそ、続けられるのです。革靴に必要な手入れは「乳化性クリームを入れて磨き上げる」というとてもシンプルな行動であることをまず知っておきましょう。

革靴の手入れ方法

1.靴紐を外し、シューキーパーを入れる

クリームを塗る際に邪魔となる靴紐をまず外します。そしてシューキーパーを入れることにより、革靴本来の形を維持した上で手入れをしましょう。

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2.乾拭き、ブラッシングで革靴の汚れを拭き取る

Tシャツの切れ端(もしくは綿の布)で革靴の汚れを拭き取ります。縫い目やコバ部分に関しては使いふるしの歯ブラシを使いましょう。馬毛ブラシがあればこの作業がスピーディに行えます。

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ちなみに普段色つきのシュークリームを使っている場合は、革靴を布でこすったときに付着する古いクリームの量によって、新たに塗るクリームの量を判断できます。布にまったく付着しなければいつもより多めに、布に色がつくようなら少なめに塗るといった感じです。

(注意!)ステインリムーバーは汚れがひどい場合のみ使用する

靴磨きの方法をインターネットで検索すると、どのサイトも最初にステインリムーバーなどのクリーナーで革靴の汚れや古いクリームを完全に除去してからクリームを塗るよう紹介しています。しかし、どのサイトも、古いクリームを取り除かなければならない理由については説明されていません。
本来、革靴は定期的にシュークリームの脂分を染みこませることによって皮革が強くなります。手入れの度にクリーナーを使うのは、この蓄積された脂分を除去してしまうということです。そればかりか、リセットされた皮革の毛孔にクリーナーの余計な成分を詰めてしまう可能性があります。水たまりを踏んだ場合などの汚れがひどいときなどはクリーナーが活躍しますが、通常の手入れでは乾拭きやブラッシング程度で大丈夫です。そもそものこのようなクリーナーが開発されたのはごく最近のことで、長い革靴の歴史のなかでクリームをつかう工程などなかったわけですから。

3.シュークリームを塗りこむ

革靴の埃を落としたら、いよいよクリームを塗りこめていきます。ごく少量を布、またはペネレイトブラシに取り、甲から塗っていきましょう。甲→側面→もう片方の側面といった順に数回にわたって引き伸ばします。カカトは側面を塗った延長で塗りましょう。レザーソールの場合は靴底にも塗ります。

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気をつけることは、塗りこむクリームはほんの少量でなければいけないということです。片足に使うクリームは米粒2〜3粒程度が1回の手入れで使う適量と言われています。手入れの本来の目的は、皮革の毛孔に最適量な脂分を「吸収させる」ことであって、革靴を「光らせる」ことではありません。光沢を欲するあまり、許容量以上のクリームを塗りこんでしまうと、色ムラの原因となってしまいます。

4.30分放置する

ひと通り塗り終えたら、すぐにブラッシングをせず、クリームがしっかりと浸透するまで置いておきます。最長で30分程度放置するので、溜まった仕事を片付けるなり、プライムビデオを観るなり、当サイトでスーツの着こなしを学ぶなりなどして、皮革が潤うのをじっくりと待ちましょう。しばらく放置したのち、革靴を眺めてみて、先程より光沢が無くなっていれば毛孔にクリームが染み込んだ証拠です。

5.ブラッシングでクリームを馴染ませる

しっかりとクリームが浸透すれば、ブラッシングを始めます。実はこのブラッシングの作業こそが、もっともも丁寧に、時間をかけて行うべき工程なのです。化繊や豚毛製の、毛並みの硬いブラシを使い、決して力を入れずに軽くこすっていきましょう。とことん時間をかけて、靴底を除いた、アッパソール全体をまんべんなくブラッシングしましょう。

6.目の細かいクロスで仕上げる

ナイロンストッキングのような目の細かい布で磨き上げ、最終仕上げをしましょう。この最後の磨き上げに関しては、多少強くこすりつけるぐらいで問題ありません。グローブ型クロスを使えば、より磨きやすいです。高価なものでもないので、ナイロンストッキングを持っていない人は買いましょう。このような目の細かいクロスで磨くことで、面白いぐらいに革靴が光沢を携えます。

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(注意)ワックスは気が向いたときだけ

ポリッシュワックスを使うことで革靴により艶が出ますが、皮革の呼吸を防ぐこととなります。また、愛好家のなかにはこうしたツルピカ仕様は下品で、通常のシュークリームの手入れで出る鈍い光沢こそ美しいと考える人もいるので、好みが分かれるところでもあります。結婚式や大事なデートなど、お洒落に決めたい場合のみワックスを使って革靴をドレスアップするぐらいでいいでしょう。必要ないと感じるなら、わざわざワックスを買う必要はありません。また、ワックスを使用した場合は、その次の手入れでは必ずステインリムーバーで除去してからクリームを塗りましょう。革靴は女性の肌と同じような扱いをするべきで、ワックスの重ね塗りは、ファンデーションを塗ったあとクレンジングをせずにファンデーションを塗ることと同義です。

雨でずぶ濡れになった革靴の手入れ方法

1.靴紐を外す

必要以上に雨を恐れる必要はありませんが、極度に革靴が濡れた場合は応急処置が必要です。まずは水分を含んだ靴紐を外しましょう。

2.綿の布で革靴を叩くように拭う

次に表面の水分を拭き取ります。このとき注意するのが、こすりながら拭いてしまうと、革靴に付着したゴミが皮革を傷つけてしまいます。大きめの布やTシャツで革靴全体を覆い、叩くようにして、布に水分を吸収させる方法がおすすめです。

3.キッチンペーパー、または新聞紙を靴に詰める

表面の水分を拭き取ったら、次は革靴の中の水分対策です。キッチンペーパーか新聞紙、両方なければティッシュペーパーでもいいので、パンパンになるまで革靴の中に詰め込みます。水分を吸収した詰め物を長時間放置すると、これまたカビの原因になってしまうので、少なくとも1日2回は交換するようにしましょう。

4.完全に乾燥するまで陰干しする

乾燥するまでの陰干しですは、室内の湿気が少ない場所で行います。新聞紙の上にそのままベチャッと置いてしまうと、靴底が空気に触れないためカビが発生する恐れがあります。壁に立てかけるか、壁が汚れるのが嫌な場合は写真のように、カカトだけ乗せるような乾かし方をしましょう。

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陰干しは、最低2日は行う必要があります。濡れ方がひどい場合や、梅雨の時期などは、乾燥するまで3日以上陰干ししましょう。

ステインリムーバーで汚れを落とす

革靴が完全に乾燥すれば、あとは通常の手入れの流れになります。しかし、皮革の毛孔に詰まってしまった汚れを落とすために、この場合はステインリムーバーを使うことをおすすめします。ステインリムーバーは必須ではないですが、持っていない場合はいつも以上に馬毛ブラシでのブラッシングや布での乾拭きを行いましょう。

いつもよりクリームを少し多めに塗りこむ

クリームに関しても、通常の手入れより多少多めに塗ります。とはいえやはり塗りすぎは禁物なので、お米4〜5粒を目安に皮革の栄養補給を行いましょう。その後、数十分放置してからのブラッシング、最終磨き上げの流れは前述のものと同じです。

革靴の手入れの頻度について

買ったばかりで皮革が若い時期はこまめな手入れが理想

人間の肌と同じく、皮革が年を重ねたときにひび割れや変色を防ぐには、若いときのスキンケアが鍵を握っています。革靴を買ってから最初の数ヶ月は、週に1回のこまめなペースで手入れを行うようにしましょう。このときの、若く吸収力に優れた皮革へ脂分を染み込ませておくことで、革靴は静かに、それでいてどっしりとした質実剛健な輝きを帯びるようになります。もちろん毎回のクリームはあくまで少量です。そしてしつこいようですが、そんな週1回の手入れで毎回ステインリムーバーを使うことは、蓄積させていくはずの脂分を毎回リセットする結果となるので控えましょう。
できれば最初の半年間は、この頻度を保つことが理想です。
また、購入してすぐの新品の革靴も、履きおろしの前に新品のクリームを塗っておくのがセオリーです。

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革靴が馴染んでくれば月1回の頻度でいい

こまめな手入れをするに越したことはないですが、ある程度の期間が経てば手入れは月1回で問題ありません。というよりも、買ったばかりの最初の頃の情熱はそう長くは続かないので、どうしても手入れが面倒になってくるのが現実です。しかし皮革の品質を維持するためには少なくとも月1回程度の手入れは不可欠です。

軽いブラッシングは履くたびに毎回やる

馬毛ブラシでのブラッシング、または布での乾拭きは、革靴に足を通した日は必ず行いましょう。ゴミやホコリは皮革の大敵です。家に帰ったらリビングに向かう前にまずシューツリーを革靴に入れ、ブラッシングです。両足たった1分もあれば済む作業
なので、日々のルーティンとしましょう。

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傷がついた革靴の補修

ステインリムーバーを使って「すっぴん」の状態を確認

革靴の傷の補修でも、まず活用するのがステインリムーバーです。汚れやクリームが残っていては、傷の正確な状態を把握するのが困難です。まずはどれほどの深さなのかを知るため、革靴を素の状態に戻しましょう。

浅い傷なら色つきのシュークリームで治る可能性大

ほぼ段差のない、擦り傷程度のものならほとんどの場合通常のシュークリームで解決します。無色透明のニュートラルタイプではなく、革靴の色に応じたクリームを使用してみましょう。トゥの傷の場合は、さらにポリッシュワックスで磨き上げてもいいですね。

深いひっかき傷は紙ヤスリと補修クリームで修繕

シュークリームでは到底解決できないような高低差のある傷の場合は、本格的なオペが必要です。まずは紙ヤスリで削りますが、400番などの目の粗いものから始めて、1000番、1500番と段階的に目を細くしていきます。傷がある程度平面になれば、あとは革靴の色に合わせた補修クリームを塗りましょう。なかなか勇気のいる作業ですが、黒い革靴の場合は案外簡単に綺麗な外見を取り戻します。茶色の革靴の場合は、同じブラウン色の補修クリームを合わせなければいけない分難易度が若干高いですね。

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2016.07.03

革靴の手入れに必要な道具セット

必ず買う必要があるもの

【シュークリーム】
革靴の手入れとは、このシュークリームを革靴に塗りこめることが目的です。皮革にとって最適な、水分と脂分を吸収させます。市販で買うならモゥブレィが唯一無二のおすすめです。色つきタイプと、どの革靴にも対応できる無色透明(ニュートラル)タイプがあります。高級靴を買った場合は専用のシュークリームを付属でつけてくれる場合もあります。

【化繊、または豚毛ブラシ】
シュークリームは、ただ塗るだけでは均一になりません。どうしてもクリームが過剰な部分と不足している部分でムラがでてしまいます。毛並みの硬い化繊や豚毛のブラシでしっかりブラッシングすることにより、靴全体にクリームの再適量が均一になじみます。

【シューキーパー】
革靴を買ってシューキーパーを買わないのは、素人のすることです。革靴に足を通していないときは、シューキーパーによってシワを伸ばし、不要な反り返りを防ぎます。スーツをハンガーにかけて保管するのと同じ理屈ですね。多少値は張りますが、木製のシューツリーのほうが皮革に溜まった汗を吸いこんで消臭効果もあるのでおすすめです。こちらもクリーム同様、英国靴を買ったときにセットでつけてもらえることがあります。プラスチック製のシューキーパーであれば100円均一でも入手可能なので、必ず革靴とセットで用意しましょう。

実はその気になれば革靴の手入れは、ここまで紹介したシュークリームとブラシ、シューキーパーさえ買えば、あとは着古したTシャツに歯ブラシ、いらなくなったストッキングがあれば必要なものが全て揃ってしまいます。もちろんこれ以外にも、持っていれば便利なアイテムはありますが、自分にとって必要最低限の道具だけを揃えるようにしましょう。無闇な道具の収集は作業を複雑化するだけです。

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2016.07.04

あれば便利なもの

【馬毛ブラシ】
革靴の汚れを落とす際、切り裂いたTシャツで乾拭きしてもいいですが、ブラッシングする方がよりスピーディに行なえます。また、靴紐のあいだやコバの隙間、縫い目などは、毛並みの柔らかい馬毛ブラシなら簡単に行き届きます。埃や汚れの払い落としは、革靴に足を入れるたびに行うべきなので、時間コストを考えると馬毛ブラシの必要度はかなり高いです。

【ペネレイトブラシ】
クリームを塗る作業は、ペネレイトブラシがあれば便利です。布や歯ブラシで塗ってもいいですが、こちらの方がクリームの伸びがよく、繊細な動きができます。

【グローブクロス】
手入れの最後の工程で磨き上げる際に使用します。ストッキングを使っても充分なクオリティに仕上げられます。グローブ型になっていて磨きやすいところがこのクロスのメリットですね。

【防水スプレー】

シュークリームとブラッシングによって入念に手入れされた革靴は、多少の雨粒など取るに足りません。試しに手入れ後の革靴に水滴を垂らしてみてください。そのまま下に流れ落ちるはずです。仮に多少水を吸い込んだとて、すぐに乾燥します。よって、手入れさえしっかりしていれば、防水スプレーは必ずしも買わなければいけない道具ではありません。もちろんあれば鬼に金棒なので、より安心感を求めたいなら買っておいて損はないでしょう。ただし通気性を阻害するため、使いすぎは禁物です。そしてもちろん入念な手入れと防水スプレーを施していても、ずぶ濡れになった場合は前述の処置を忘れずに。

その他、追加で買うなら

【ステインリムーバー】
革靴が雨でずぶ濡れになったあとなど、汚れがひどいときに役立ちます。
これを使えば古いクリームや蓄積された汚れを根こそぎ落として革靴を素の状態に戻すことができますが、日常の手入れでわざわざ使う必要はありません。

【ポリッシュワックス】
ワックスと少量の水分で磨き上げると、まるでエナメル仕様のようにピカピカになります。ただしこの鏡面磨きは、皮革の毛孔を塞いでしますので多用は禁物です。お洒落したいときにトゥやカカトだけ部分的に使うようにしましょう。

【デリケートクリーム】
デリケートクリームは水分が主成分でロウが含まれていないため、より皮革に優しいです。シュークリームよりもマットに仕上げたいときなどに使いましょう。
この他にも多種多様なクリームが売られていますが、基本的には必要ありません。実際のところ革靴はシュークリームさえあれば必要な成分は補えてしまうのです。

革靴の手入れに必要なクリームまとめ

2016.06.30

 まとめ:シンプルで”ラク”な手入れが長続きの秘訣

冒頭でも触れたとおり、手入れで大事なのは、道具の質や数ではなく、継続することです。そして手入れとは、拭く→塗る→磨くという、たったこれだけの実にシンプルなことなのです。ステインリムーバーで汚れを除去したり、ワックスでツヤを出すことは、時には必要かもしれませんが、手入れの工程に毎回入れるべきではありません。
できる限りすくない工程で気楽に行うことが、革靴にとっても自分にとっても一番いい方法だと言えるでしょう。

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