スーツを選ぶとき、単純に色や柄だけで決めていませんか?確かに色や柄は、外見上でもっともわかりやすい部分です。しかし、同じようなシングルスーツでも、ラペルの幅やポケットの形、ボタンの素材などで見た目の印象が大きく変わります。自分好みのディテールをあらかじめ決めておくことで、いざショップに足を運んだときに後悔しないスーツ選びをすることができます。
スーツの色、柄
![gray-navy](https://suitdanshi.com/wp-content/uploads/2016/08/gray-navy.jpg)
細かいディテールを考える前に、まずはやはり色と柄を決める必要があります。手持ちのスーツが少ない人は、王道のネイビー系かグレー系を選ぶのがいいでしょう。柄は、ハンガーに吊るされた状態だと、ストライプが魅力的に見えますが、コーディネートの幅を考えると無地もおすすめです。ある程度のグレーやネイビースーツが充実しているのならば、第3のカラーとしてブラウンのスーツや、グレンチェック柄のスーツなんかもおすすめです。街中で非常に見かけることの多いブラックスーツはあまりおすすめできません。黒のスーツをビジネススーツとして使用するのは日本独特の文化で、本来黒はタキシードなどのフォーマルシーンや、葬儀などて使われる色です。日本ではあまりにブラックスーツが蔓延しているので没個性になってしまうことと、意外とコーディネートが難しいことから、あえて黒色のスーツを選ぶ必要性はないかと思います。
ジャケットのデザイン
ラペル(下衿)の幅
![ラペル](https://suitdanshi.com/wp-content/uploads/2016/08/8cd49fb225ff9fedbc6a3b760caf226b.jpg)
ジャケットの下衿の部分をラペルと言います。このラペルこそが、スーツの表情を決定づけるとも言える部分です。ラペルの幅ですが、時代によって細くなったり太くなったりします。時代に流されず、長年愛用できるスーツが欲しいのであれば、ラペルは8.5cm前後の幅のものを選ぶといいでしょう。ある程度のラペル幅は、小顔効果をもたらします。太すぎるラペルもいただけないですが、たとえ流行っているからといって、肩幅が狭めの日本人が安直に細いナローラペルを選んでしまうと、全体のバランスがいびつになります。適切なラペル幅の目安としては、肩幅の三分の一がいいとされています。
ラペルの形、ゴージライン
![ピークドーノッチド](https://suitdanshi.com/wp-content/uploads/2016/08/d2a56f997f6dfc28fee2b958a3be6459.jpg)
一般的なスーツは、先端の下がったノッチドラペルです。フォーマルなスーツや、ダブルブレストのスーツは先端の釣り上がったピークドラペルが多いですね。また、ゴージラインと呼ばれる上衿と下衿の境界線の位置によってVゾーンの印象が変わります。現在市場に並んでいるスーツは、やや高め位置のゴージラインがほとんどです。
肩のライン
![ショルダーライン](https://suitdanshi.com/wp-content/uploads/2016/08/a7c360975ce7a86b474fa4ce5c64f68c.jpg)
肩のディティールですが、主流はナチュラルショルダーです。パッドが薄めで、肩のラインが自然なものですね。逆に英国調のサヴィルロウスタイルのスーツは、肩先がにわかに盛り上がった構築的なショルダーラインで、ビルドアップショルダーと呼ばれています。かっちりとしたスーツスタイルが好みの人はこちらがおすすめです。
サイドポケットのかたち
![スラントポケット](https://suitdanshi.com/wp-content/uploads/2016/08/16ae357b4a7bf2c5739f051461bf33c5.jpg)
ブランドスーツで見ることの多い、傾斜のあるサイドポケット。これはスラントポケットと呼ばれるものです。元々のルーツとしては、馬上で前傾姿勢になったときに、物を出し入れしやすいようこういった斜めのデザインになりました。馬に乗ることを前提として設計されたデザインのため、このスラントポケットは「ビジネス仕様」のスーツと考えられています。結婚式のようなフォーマルな場ではスラントポケットよりも、通常のスクエア型ポケットのスーツが相応しいです。
胸ポケットのかたち
![胸ポケット](https://suitdanshi.com/wp-content/uploads/2016/08/d31427a31ead81e99cdf72af4b113a31.jpg)
ジャケットの胸ポケットですが、通常の水平のものよりも、わずかに湾曲したバルカポケットがおすすめです。イタリア語で船やヨットを意味するバルカ型ですが、この湾曲したラインが、胸のシルエットを立体的に見せる効果を持つのです。
ベント
![ベント](https://suitdanshi.com/wp-content/uploads/2016/08/6bd5ae219dbdfb566ece7202a6d8c7b4.jpg)
ジャケット背部の裾に入った切れ目をベントと言います。真ん中に1本切れ目が入った「センターベント」と、両脇に切れ目が入った「サイドベンツ」に大別されます。タキシードなどフォーマルな装いでは切れ目の無い「ノーベント」を着用します。好みによって決めていい部分ですが、ブリティッシュスタイルのようなかっちりとしたスーツにはサイドベンツ、ジャケパンスタイルでもサラッと着れるようなジャケットにはセンターベントが適していますね。
ボタンの種類
![ボタンの種類](https://suitdanshi.com/wp-content/uploads/2016/08/a384242191f459a3a465b08447ac3c4f.jpg)
スーツのボタンの種類ですが、水牛やカゼイン、ナットや貝など様々な種類があります。通常のスーツであれば、水牛製のボタンを選んでおけば間違いありません。
ボタンの数
![ボタンの数](https://suitdanshi.com/wp-content/uploads/2016/08/36b35e36f7b519d3adb47ee778ddd6b9.jpg)
ジャケットのボタンの数は、2つが主流です。店頭に並んでいるものもほとんどが2つボタンなので、これを選んでおけば間違いありません。おしゃれなハイブランドやイージーオーダーなんかだと、段返りの三つボタンという選択肢もあります。よりエレガントで、周りに差をつけたい場合などはありですね。
パンツ(スラックス)のデザイン
プリーツ
![パンツ種類](https://suitdanshi.com/wp-content/uploads/2016/08/7e428beafbc3e8c485565f742f4749c0.jpg)
スラックスに入れる折りひだをプリーツ(タック)と言います。時代によってノータックが流行ったりワンプリーツが流行ったりしますが、基本的にどれがお洒落でどれがダサいという概念はありません(写真のパンツはノープリーツ)。自分に合ったサイズのパンツであれば、ノープリーツで脚をすっきり見せるのもいいですし、プリーツを入れてエレガントに装うのもいいです。大事なのはやはりサイジングですね。
裾のかたち
![パンツ裾](https://suitdanshi.com/wp-content/uploads/2016/08/0b5c1a5e572b4705d52bcfab110efa0f.jpg)
パンツの裾のダブルですが、騎乗の際の泥よけとして考案されました。スラントポケットと同じく馬上での使用を目的としているため、ビジネスシーンに適したスタイルとされています。泥汚れと関係のないフロアでの交流会、つまりフォーマルシーンの裾はシングルが相応しいです。