【革靴の手入れ】不意についた傷を補修する方法

男には、人生で泣いてもいい瞬間が2つあります。

恋人が死んだときと、革靴に傷がついたときです。

それほどまでに、愛用している革靴が傷つくということは悲しい出来事なのです。しかし、恋人が死んだ心の傷が消えることはないですが、幸いなことに革靴の傷は補修クリームで消すことができます。

というわけで本記事では、革靴についてしまった擦り傷やひっかき傷などの不幸を帳消しにする、補修作業の流れについて解説します。

革靴についた傷を修理する手順

用意するもの

・「ステインリムーバー
・「紙ヤスリ
・「色つきシュークリーム」(浅い傷の場合)
・「補修クリーム」(深い傷の場合)
その他ブラシや布など普段の手入れ道具

リムーバーで革靴をすっぴんにする

まずは、靴全体の汚れや古いクリームを落とします。これは通常の定期手入れでも行う作業ですね。馬毛ブラシでブラッシングしたら、「ステインリムーバー」などのクリームを靴に塗りましょう。その後乾いた布で全体を拭き、革靴をすっぴんに戻します。

紙やすりで傷まわりを擦る

ここからが本格的な傷の修理です。ある程度深い傷の場合、「紙ヤスリ」で擦って可能な限り表面を平らにする必要があります。使う紙ヤスリですが、最初は目の粗いものを使い、徐々に細かいものに替えていきます。紙ヤスリは番号が若いほど目が粗く、400番〜3000番までのあいだのものを段階的に使用していきましょう。

ちなみに浅い擦り傷程度であれば、この工程は飛ばしても問題ないでしょう。

補修クリームを塗って色を合わせる

ある程度傷口がフラットになれば、あとは「補修クリーム」でまわりの色と同化させます。布にクリームを取り、少量ずつ調整しながら傷口を補修しましょう。サフィールの補修クリームがおすすめです。豊富なカラー展開なので、あらゆる色調の革靴に対応できます。

塗るのを失敗した場合はすぐにリムーバーで落とし、再チャレンジです。うまく塗り終えれば、さいごは通常の手入れと同じく乳化性クリームで仕上げれば完了です。

浅い傷であれば色つきの乳化性クリームで消える

ちょっと擦ったぐらいの傷であれば、わざわざサンドペーパーや補修クリームを使わなくても、手入れで使うようなシュークリームで充分目立たなくなります。普段、無色透明のニュートラルタイプのクリームを使っている人は、「色つきのシュークリーム」で一度様子を見てはいかがでしょうか。

ストレートチップのつま先(キャップトゥ)の傷であれば、さらにワックスで仕上げればより目立たなくなるでしょう。仕上がりに納得がいかなければ、やはり紙ヤスリや補修クリームを使いましょう。

黒い靴は比較的補修しやすい

補修クリームは傷口を「元通りにする」のではなく「塗りつぶす」ことによって、見た目の美しさを回復させます。よって、なによりも靴とクリームの色を合わせることが最重要ポイントなのです。

そのため、黒の革靴は、黒のクリームを使えば間違いないので失敗が少ないですね。逆に茶色の革靴は、色調が様々なので難易度が若干上がります。茶系のシュークリームや補修クリームを買うときは、自分の革靴の色をしっかり確認してから購入するようにしましょう。

色味が正しくマッチすれば、傷があったことなど自分自身でも忘れてしまうほど、外見的には元どおりになります。

ヒビ割れの補修は難易度最高

今回紹介した革靴の補修ですが、効果的なのはつま先のキャップ部分や側面、かかと周りなどです。革靴のちょうど皺部分にできたひび割れに関しては、動きがあるぶん補修クリームを塗っても剥がれ落ちてしまいます。

根気強くやれば補修できないことはないでしょうが、素人にはハードルが高いのは間違いありません。それほど、革靴にとってひび割れは致命的なのです。

定期的な手入れが革靴を強くする

水分や油分の含まれた乳化性クリームは皮革の栄養分です。これが足りなくなると革が乾燥し、革靴のひび割れや色ハゲに繋がるのです。

また、日々のケアで皮革を高いコンディションにしておけば、少しぐらいならぶつけても致命的な傷にはなりません。突発的なひっかき傷などは避けられないにしても、定期的なケアでひび割れや擦り傷から守ることが、結局は革靴にとって一番です。

「革靴の手入れ」へ戻る