日本のサラリーマンは黒や濃淡のダークスーツを着る人の割合が多いように思えますが、イギリスやイタリアでもっともポピュラーなスーツの色はグレーです。
グレーのスーツは他の色に比べてコーディネートもしやすく、着る人を選びません。スーツ男子なら、平日のスーツレパートリーにまずまっさきにグレーを加えるべきです。本記事では、グレースーツを着こなすにあたっての基礎知識と、おすすめの着こなしについて解説します。
グレースーツの着こなし基礎知識
グレースーツは大きく分けて3種類
ひと口にグレースーツと言っても、色の濃淡によって着用したときの印象が大きく変わります。
明確な線引はないですが、グレーのスーツは3つに色分けされます。最も黒に近いチャコールグレー、中間色のミディアムグレー、そして白に近いライトグレーです。これらは全てグレースーツと言われますが、実際のところ特色はそれぞれで、なによりコーディネートの難易度が全然違ってきます。
ミディアムグレーはもっともコーディネートが簡単なスーツ
初めて奮発してグレースーツを買うなら、間違いなくミディアムグレーのスーツをおすすめします。無難な色と思われがちですが、実はグレー以外の色も含めた全てのスーツの中で、もっともコーディネートしやすいのがミディアムグレーなのです。本当に不思議なことに、どんな色柄のワイシャツやネクタイを合わせてもまず失敗しません。
5万円以上のしっかりした造りの、ジャストサイズのミディアムグレースーツに、白のワイシャツと紺地に白のピンドット柄ネクタイ。文字にすると何の変哲もないコーディネートに思えますが、これがとても綺麗でおしゃれにまとまります。また、ミディアムグレーのスーツは、ブルーのワイシャツとも相性が良く、爽やかな印象を与えることができます。
2着目のスーツはチャコールグレーがおすすめ
ミディアムグレーの次に買うスーツとしておすすめなのが、チャコールグレーです。黒に近い色ですが、決して黒スーツのような野暮ったさはなく、渋みのある上品さを演出できます。ただ、ワイシャツとのコントラストの差が強くなるため、ミディアムグレーよりも着こなし方については考える必要があります。その分チャコールグレーならではのコーディネートができるのも事実で、ブラウンの小紋柄ネクタイとの組み合わせなどはまさにその極みと言えるでしょう。コーディネートが難しくなるからこそ、お洒落を楽しむことができるということです。
ちなみになぜ2着目におすすめするのがライトグレーではないのかと言うと、こちらもコーディネートを失敗すると全体的に頼りない印象になってしまうのと、その割にミディアムグレーとはっきりとした印象の違いを出せないからです。また、せっかく上等なスーツを買っても、結婚式でライトグレーを着るのはマナー上相応しくないので、汎用性が低いというのも理由のひとつです。
グレースーツの着こなし応用編
サイドベンツで大人の貫禄を
ベントとは、ジャケットの背中の切れこみのことを言います。真ん中に一本切れこみが入っているものをセンターベント、両サイドの切れこみのものがサイドベンツです。センターベントを選ぶ人のほうが割合的には多く見られますが、グレーのスーツとサイドベンツは相性バッチリです。実に英国的で、大人の男の色気を装うことができます。
柄は無地がおすすめだがあえてチェック柄を選ぶのもあり
ツープライス系のチェーン店に行くとどうしてもスーツはストライプ柄を薦められがちで、世間的に見てもストライプを選ぶ人は多いです。しかし、無地のグレースーツほどおしゃれにコーディネートできるものはありません。スーツが無地なら、ワイシャツやネクタイは大抵の柄に対応できます。柄が入ったものを選ぶなら、ありきたりなストライプよりも、ブリティッシュスタイル寄りのチェック柄を着るのも周りと差をつけることができていいのではないでしょうか。
グレースーツとダブルの裾は相性高し
ベントと並んでグレースーツと相性がいいのが、ダブルの裾です。チェックのグレースーツだとより合いますね。ベントにしても裾にしても、ほんの些細なことではありますが、このようなさりげないこだわりが、全体のシルエットを美しくかたどっていきます。
革靴の色でも印象が全然違う
グレーのスーツを着るとき、茶色の革靴を履く人が驚くほど多いですが、当サイトがオススメするのは黒色の革靴です。特に明るめのライトグレーに茶色を合わせてしまうと、どことなくボヤけた印象になってしまいます。ベルトと革靴を黒にすることで、キュッと引き締まります。どうしても茶色にこだわるなら、色の濃いブラウンで合わせるとスタイリッシュになります。
ただ、チャコールグレーのような黒に近いグレーのスーツは、革靴も黒にすると重くなりすぎてしまうので、明るめのブラウンで外してみるのもいいでしょう。