ゲストとして参列する結婚式。普段からスーツを着ている人ならともかく、めったに着る機会がない人にとっては着こなしのマナーが分からず困る人も多いのではないでしょうか。
ボタンひとつにしてみても、全部留めるべきなのか、ひとつだけで良いのか、そもそもボタンの数はいくつのものが正しいのかなど、悩みが尽きないかと思います。
この記事では、スーツのボタンの開け閉めについて解説します。結婚式に限らず、フォーマルの場に参加する機会があるならぜひ知っておきましょう。
目次【本記事の内容】
- 1.スーツのボタン全部留めはルール違反!!一番下は必ず開ける
- 2.3つボタンスーツも一番下を開けるのが基本
- 3.結婚式場のイスに座ったときはスーツのボタンを開ける
- 4.結婚式ではスリーピースもアリ!ベスト着用時はスーツのボタンは全開にする
- 5.袖口のボタン(本切羽)を外すとお洒落な印象に
- 6.ダブルのスーツは6つ釦4つ掛けがおすすめ
- 7.ワイシャツや革靴、ネクタイにもマナーあり
スーツのボタン全部留めはルール違反!!一番下は必ず開ける
ジャケットの一番下のボタンは留めてはいけません。2つボタンがあるうちの下のボタンは「飾り」とされています。これは結婚式のマナーというよりも、スーツのルールです。
1930年代ごろに世界的にこの着こなしが広まったと言われています。よって、2つボタン場合は上ひとつのみを留め、3つボタンの場合はボタンの位置にもよりますが、真ん中ひとつ、もしくは上ふたつを留めるようにします。
ビジネス、フォーマル問わず世界共通のルールなので、結婚式だからといってかしこまって全てのボタンを留めていると恥をかくので気をつけましょう。
3つボタンスーツも一番下を開けるのが基本
最近ではVゾーンがすっきり見える2つボタンの方が主流となり、3つボタンはめっきりお目にかかる機会が減りました。現代的なシルエットで作ったお洒落な3つボタンスーツもありますが、大多数の人は2つボタンのスーツをメインで着用しているはず。3つボタンの場合も、一番下のボタンは留めません。
また、3つボタンのスーツには、通常のものと「段返り」と呼ばれるものがあります。
通常の3つボタンは、一番上と真ん中のボタンを留めます。Vゾーンを広くとる段返り3つボタンは、真ん中のみを留めて上と下は開けておきましょう。
結婚式場のイスに座ったときはスーツのボタンを開ける
結婚式などフォーマルシーンでは、ジャケットのボタンは閉じておくのがマナーです。しかし、座っているときに限ってはボタンを全開にして問題ありません。むしろ座ったときにボタンを閉じているとスーツの型が崩れますし、見た目にも窮屈です。
披露宴で食事を食べているときなどはボタンを開けましょう。もちろん立ち上がる際にボタンを閉じるのを忘れてはいけません。
ジャケットのサイドポケットのフラップですが、由来はホコリよけの意味から来ています。よって、諸説ありますが屋外にいるときはフラップを出しておき、室内ではポケット内に収納しておくのが元々のマナーです。これに関しては過度に意識する必要はないですが、片方だけ出ているなどチグハグな状態にならないよう注意。結婚式などフォーマルの場では、常にしまっておくスタンスで問題ありません。
(ここで注意)ボタンよりも大切なこと
ニオイのケアを怠らないのが紳士。
体臭は制汗剤や香水でどうにかなりますが、見落としがちなのが革靴の悪臭です。
特に、二次会や三次会では革靴を脱ぐ可能性もあります。
スニーカーよりも通気性に劣る革靴は、雑菌によって悪臭を放ちやすいのが欠点。足のニオイで知らずしらず恥をかいてしまわないよう注意しましょう。
靴の消臭はグランズレメディで一発解決が可能。Amazonのレビューからもわかるとおり、ニオイで悩むことがなくなります。
結婚式ではスリーピースもアリ!ベスト着用時はスーツのボタンは全開にする
スーツの発祥はスリーピース(ジャケット・スラックス・ベストの三つ揃い)からと言われています。必須ではありませんが、結婚式ではベストを着ていくほうがよりフォーマルで上品です。
ベストを着ているときはジャケットのボタンは全開にしておきましょう。そしてベスト自体の前ボタンは、やはり一番下は外しておく必要があります。
普段使いで着るのはなかなか気が引けるベストですが、あの美しいシルエットはフォーマルの場にマッチするので、結婚式では積極的に着るようにしたいですね。
袖口のボタン(本切羽)を外すとお洒落な印象に
本切羽と呼ばれる袖口のボタンですが、これを開くことができるのはオーダースーツや、デザインにこだわりのある一部のブランドスーツのみです。
一般的な既製品スーツの袖についているボタンはただの飾りで、外すことはできません。そこまで重要なことではないですが、本切羽を外すことでさりげなくお洒落アピールすることができます。
袖のボタンに関しては明確に「留める」「留めない」のマナーはありません(全開は不格好ですが)。
ダブルのスーツは6つ釦4つ掛けがおすすめ
「ダブルのスーツ=オジサン」というイメージが強いですが、最近はスタイリッシュなモデルも広く展開されています。ダブルスーツには「4つボタン1つ掛け」「4つボタン2つ掛け」「6つボタン2つ掛け」などの種類があります。
このなかでベーシックなのは「6つボタン2つ掛け」。ダブルスーツについては明確にルールが決まっているわけではないですが、やはり一番下のボタンは開けておいたほうが窮屈な印象を与えません。
上手く着こなせれば周囲と差をつけることができます。
ワイシャツや革靴、ネクタイにもマナーあり
「ワイシャツは白」を選ぶのが無難ですし、「革靴は黒のストレートチップ」が相応しく、「ネクタイはレジメンタルストライプは避ける」べきです。
このように、結婚式のスーツスタイルは何かと気を配るポイントが少なくありません。神経質になりすぎる必要はありませんが、そのあたりのルールを把握しておくと、着こなしを楽しむことができます。
結婚式の前に革靴の手入れは必須!女性は「スーツのボタン」ではなく「靴」を見ている
スーツのボタンの留めかたを意識するのは紳士のたしなみとしてとても大切なことですが、それ以上に大事なのが革靴です。
男性は革靴愛好家でもない限り靴には無頓着ですが、女性は意外なほど男性の靴を見ています。とは言え革靴が高級ブランドかどうかを確認しているわけではありません(そういう女性も稀にいますが)。
手入れが行き届いていない革靴を見たときに、「あぁ、この人は汚れた靴を注意する女性が周りに一人もいないんだ(モテないんだ)」と心の中で思うのです。
汚い靴を履くことは爪を伸ばしっぱなしにするのと同じぐらい悪印象。そもそも新郎新婦に対しても失礼です。
カカトの擦り減りなどはさすがに修理屋に持っていったほうがいいですが、アッパーを磨くぐらいなら小1時間もあればできます。本格的なシューケアセットも必要ありません。
一回手入れするぐらいなら専用のクロスではなく「布か着古したTシャツ」と「歯ブラシ」でOK。クリームやワックスも買い揃える必要はなく、モゥブレイの「シュークリーム」が1つあれば充分です。布で軽く汚れを落としてから、歯ブラシを使ってシュークリームの全体に塗りましょう。
あとは大きめの「化繊ブラシ」で仕上げれば見違えるほど美しくなります。
歯ブラシや布切れを代用品で済ませるのが嫌な人や、どうせなら本格的にピカピカにしたい人は、「シューケアセット」を買ってしまえば手入れ道具で困ることはありません。
革靴は高級である必要はありません。1万円前後の革靴でも、きちんと手入れすればフォーマルな場に相応しい光沢を宿します。結婚式までにまだ日にちがあるなら、靴の手入れは必ずやっておきましょう。
結婚式のスーツスタイルはちょっとした工夫でグッとお洒落に見せられる
ボタンの開け閉めなど、マナーを意識することも大事ですが、ほんの少し着こなしを意識するだけで周囲からの好感度が格段に変わります。
最も手軽にできるのが「ポケットチーフ」を使うこと。これがあるのと無いのとでは印象は大違いです。折りたたんだり丸めて挿すだけで、結婚式の場に相応しい華やかな雰囲気を纏うことができます。
ポケットチーフは麻素材(リネン)のものが1枚あれば、フォーマルから普段のジャケットにも使えるので便利です。シルクのような光沢感こそないものの、だからこそ嫌味のないさり気ないお洒落をアピールできます。色や柄はネクタイの色に合わせるか、白の無地を選べばどんな組み合わせにも使えるのでおすすめです。
ポケットチーフとは別で、普通の「コットン製白ハンカチ」は2枚忍ばせておくのが結婚式では紳士のたしなみとされています。1枚は自分用に、そしてもう1枚は涙を流す女性に差し伸べる用です。実際にそんな場面があるかどうかは置いておいて、外見上はわからない部分も用意周到にしておくのがデキる男ですね。